一生に一度の大切な結婚式ですから、タキシードの選びはもちろんのこと、靴にだってこだわって完璧な物を選びたいですよね。

しかし、タキシードだからなんとなくルールがありそうというのは分かっても、実際自分の結婚式のスタイル、タキシードのスタイルの場合何を合わせればいいのか、ファッションに詳しい人でも時折分からなくなってしまいます。

実際にご結婚式に向けてタキシードのお打ち合わせをさせていただく中でも

「タキシードにはどんな靴を合わせたらいいの?」

「何色の靴が一番フォーマルに見える?」

「カジュアルに茶色い靴を合わせてもいいの?」

といった質問をお客様からたくさんいただきます。

そこで今回は、結婚用用の新郎タキシードに合わせるの靴はどんな風に選べば良いのか?について解説したいと思います。

 

 

タキシードに合わせる代表的な靴の種類

タキシードの着こなしは色々とルールが決まっているように、靴も『なんでもいいよ!』という訳ではありませんので、ある程度選択肢は限られてきます。

まずは代表的な靴のデザインから見ていきましょう。

一つ目は、このエナメル素材のローファーで先端にリボンが付いたようなデザインのこの靴。

こちらは『オペラパンプス』と呼ばれるもので、馴染みのない方がほとんどだとは思いますが、最もフォーマルであり本来はタキシードに合わせるべき唯一の靴なのです。

なんだかレディースの靴のような表情をしていますが、古き時代から受け継がれてきた伝統的な靴。

タキシードの為だけにあるような靴ですので、『ブラック・タキシード』であったり『ミッドナイトブルー・タキシード』のようなフォーマル度の高いタキシードには驚くほどしっくりきます。

履く前までは「これでいいのかな…?」と不安な気持ちになると思いますが、サイズのあったフォーマルなタキシードの足元には「これしかない!」と思える程です。

これ以上ない完璧な装いを目指されている方は間違いなく『オペラパンプス』をおすすめします。

続いての代表的なデザインとして、『ストレート・チップ』の革靴が挙げられます。

こちらの写真のように、先端に横一文字の線が入っただけのシンプルなデザインで、ビジネスシーンにも多く用いられることもあり、意図せずとも所持している方も多いのではないでしょうか?

付け加えて説明すれば、こちらはしっかりと『内羽根』の仕様になっていることがとても重要で、ここで似たような雰囲気の靴であっても『外羽根』であるならば、それは適しているとは言えません。

というか、普通にNGです。

また、こちらのストレート・チップの靴はエナメル素材でもありません。

タキシードの靴=エナメル素材でないといけないと思っている方が非常に多いのですが、これは半分正解で半分不正解。

中途半端なエナメルシューズを選ぶのであれば、このストレートチップの表革の革靴の方がよっぽどいいんです。

ということで、『エナメルシューズ』

こういった時にしか履くことのないシューズですから、それだけでかなり雰囲気がありますよね。

エナメル素材が用いられるのには古くからの理由があり、中世のヨーロッパではタキシードを着る場では女性とダンスをする慣習があったのですが、その際に通常の革靴では靴墨で女性のドレスを汚してしまう可能性がありました。

そこで、お手入れの際にも靴墨を使わない『エナメル素材』の靴を履いたとされており、結婚式にエナメル素材の靴を履くイメージはこの話から派生したものと思われます。

タキシード パーティ

ただし、エナメルであればなんでもいいということではありません。

先っちょがやたらととんがっている靴や、訳の分からない変ちくりんなデザインがあまりにも多すぎる為、エナメルシューズを選ぶ際には十分注意しましょう。

あからさまなヒールアップもNGです。

後から見るとあればバレバレなんですよね・・・。

 

 

タキシードに合わせる靴の選び方

ということ、『オペラパンプス』『ストレート・チップ』『エナメルシューズ』と3つの代表的な靴を解説しましたが、選び方としては以下の基準で考えてみてください。

 ◉完璧なフォーマルを目指したい → 『オペラパンプス』

 ◉オペラパンプスほどフォーマルではなくとも、それなりの雰囲気は醸したい → 『エナメルシューズ』

 ◉タキシードに合わせて違和感がないなら、その後にも使えるシューズにしたい → 『ストレート・チップ』

みなさんもきっとどれかに当てはまるのではないでしょうか?

私たちがお仕立てさせていただいたお客様を見ていると、7割程度の方が『ストレート・チップ』を選ばれているようです。

挙式後も使えるのは便利ですし、お手持ちの履き慣れた革靴をきれいに磨いて履くということも多いようです。

 

 

例外はカジュアルタキシード

ほとんどの方は前項の選び方で問題ないと思いますが、例外はカジュアルタキシードの場合です。

カジュアルなタキシードの場合、オペラパンプスはもちろんのこと、エナメルシューズの質感も合わないですし、ストレートチップもなんだか雰囲気が違う・・・となると思います。

どう選べばいいかというと、簡単です。

『カジュアルタキシードの場合、ルールは無視してください』

そもそも何故ルールがあるのかというと、タキシード自体にルールがあるからです。

カジュアルタキシードはそういったフォーマル(=ルールが定められているもの)とはまったく別の土俵にいますので、靴だけ変にルールに従っても何の意味もありません。

例えばブラウンのタキシードならブラウンの革靴が合うと思いますし、リネンなら白い靴なんかも爽やかでいいかもしれません。

実際に写真のようなコンビシューズをリゾートウエディング向けにお仕立てさせていただいたこともあります。

カジュアルタキシードの場合は、ファッション感覚で好きなデザインの革靴を合わせるといいですよ。

 

 

新郎タキシードに合わせる靴まとめ

いかがでしたでしょうか?

結婚式のタキシードに合わせる靴にも細かなルールがありますが、これは必ずしも遵守しなければならないルールではなく、結婚式は皆さまそれぞれの思い描くスタイルや形によって変わります。

なにごとも、現代的な解釈のもと選んでいくべきなのです。

皆さんの挙式スタイル、タキシードスタイルにはどんな靴が合いそうでしょうか??