結婚式の準備で悩ましい選択のひとつに「お色直し」があります。花嫁はウェディングドレスからカラードレスへのお色直しをされる方が多く、それに合わせて新郎もどう変化させるか、多くのカップルが頭を悩ませています。

しかし、新郎のお色直しは意外と難しいものです。そこで今回、ボットーネから新たな視点でのご提案をさせていただきます。

「本当に必要でしょうか?そのお色直し」

お話を伺っていると、多くの新郎が:

  • とりあえず蝶ネクタイだけ変えてみた
  • 持っているベストを着用してみた

など、半ば妥協したような形でお色直しを決めているケースが少なくありません。ドレスを選んだときの熱量と比べると、大きな差があるのではないでしょうか?

もし納得のいくコーディネートが見つからないのであれば、無理にお色直しをせず、一つのタキシードスタイルを貫くという選択肢も十分にありだと思います。

1. 新郎もお色直しは必要なのか?

woman sitting beside man

結婚式でお色直しをする伝統は奈良時代にまで遡ります。簡単に言えば、「白無垢(しろむく)から色打掛(いろうちかけ)に着替える」という行為には、生まれ変わりの意味があり、夫の家に嫁ぐことを表していました。

確かに由緒ある伝統ですが、現代の結婚観にはやや馴染まないようにも感じられます。少なくとも、今日結婚式を挙げるカップルがこの意味を意識しているケースは少ないでしょう。多くの場合、形式的なものとして捉えられているのが実情です。

花嫁のドレスは「憧れのデザイン」や「会場の雰囲気に合わせたい」など、明確な思いがあることが多く、雰囲気が大きく変わることでゲストにとっても楽しみな演出となっています。

だからこそ、しっくりこず悩んでいる新郎の方は、無理に衣装チェンジをせず、「花嫁のカラードレスを引き立てる」ことに全力を注いでも良いのではないでしょうか。

 

2. なぜタキシードのお色直しがしっくりこないのか

実際にボットーネのお客様でも、お色直しについて悩まれる方は非常に多くいらっしゃいます。

オーダーしたタキシードが完成して、挙式用の小物も決まり、そして次に「お色直しをどうしよう…」というフェーズになるわけですが、悩む理由はシンプルです。

『なんか、しっくりこないから』

別の言い方をすれば

『普通のタキシードの姿が一番かっこいいから』

なのです。

タキシードは、例えばブラックタキシードならブラックの蝶ネクタイやベストを合わせるのが基本。ネイビータキシードなら、ネイビーやブラックのアイテムを合わせます。

これは、長年の歴史で培われた「100点満点のスタイル」なのです。そこから「赤のドレスに合わせて赤の蝶ネクタイを」などと変化させると、どうしても完成度が下がってしまいがちです。

一度完璧なタキシード姿を自分の目で確認してしまうと、そこから変更するのは心理的にも難しいものです。これは私服選びと同じで、自分の「決まった!」と思えるコーディネートから一部だけ変えるよう言われたら誰でも抵抗を感じるでしょう。

さらに、タキシードはドレスと違って全身を丸ごと変えるケースが少ないため、部分的な変更だけで印象を変えるのは意外と難しいのです。

3. お色直し無しでもいいと思う理由

そもそもタキシードは、ドレスを引き立てるために控えめであることが重要です。だからこそ黒やネイビーが定番なのです。

これは結婚式だけでなく、欧米の正装パーティでも同様です。想像してみてください:女性たちが色とりどりのドレスで華やかに装い、男性たちはブラックタキシードで統一される光景を。この構図は「どんな色のドレスも引き立つ」よう計算されているのです。もし男性も思い思いの色の服装をしていたら、全体がちぐはぐで雑然とした印象になってしまうでしょう。

だからこそ、男性は終始同じ装いでも全く問題ないと考えられます。むしろそのほうが花嫁のドレスに注目が集まり、お色直しの演出自体の完成度も高まるのです。

何事も、男性は一歩引いた立ち位置が丁度良いのかもしれません。

4. 安心して「お色直し無し」を選ぶには

「自分はお色直しなしでもいいかな」と思われた方に、唯一の注意点をお伝えします。

それは、『完璧なタキシードスタイルを完成させること』が何よりも重要だということです。

王道の正統派スタイルで構いません。それを完璧に仕上げれば、自信を持って「このタキシード一本で行く!」と胸を張れるはずです。

サイズ感や生地の質感、シルエット、小物類、シューズまで、そして立ち姿や美しく見せる姿勢などのプラスαの要素も含めると、とことん突き詰められる要素は実は多いのです。シンプルに見えて、実は奥深いのがタキシードの魅力です。

ひとつのことの完成度を高めるという考え方は、多くの男性に向いているアプローチではないでしょうか。(私もそういうタイプです)

5. まとめ

このように、「お色直しをしない」という選択肢も、実は理にかなった選択なのです。シンプルで洗練された印象を与えられるだけでなく、コスト面でも余裕が生まれます。

ただし、その場合は一つのタキシードスタイルをビシッと決めることが何よりも大切です。軸がしっかりしていればこそ、思い切った選択ができるのです。

ボットーネのサポート

こうしたお色直しのことも含めて、ボットーネのコンシェルジュは幅広い知識と経験を持っています。単に「どうするべきか」ではなく、お二人らしさを最大限に引き出す選択肢をご提案します。

新郎タキシードについて様々な角度から、みなさんにとっての『自分達らしい挙式』をサポートさせていただきますので、お色直しにお悩みの方は是非一度ご相談ください。タキシード選びから当日の立ち振る舞いまで、トータルでアドバイスさせていただきます。