今年大人気だったピークドラペル
今年もあっという間に12月となりましたが、皆さんにとってはどのような一年でしたでしょうか?
ボットーネでは今年もたくさんのタキシードをオーダーいただいてきましたが、振り返ってみると『ピークドラペル』のデザインでオーダーいただいたお客様が非常に多かったことに気が付きました。
ショールカラーとは違った凛々しさがあり、ご納品の際も皆様にご満足いただけたデザインですので、今回のブログで取り上げたいと思います。
そもそも襟の種類は2種類
タキシードを着る上で『衿の形』というのが重要で、顔周りに近いことからタキシード全体の印象を大きく左右します。
タキシードの衿には2種類の形がありますのでそれぞれ見ていきましょう。
まず上の写真が『ショールカラー』という丸味をおびた衿のデザインで、この曲線がリラックスした雰囲気を醸し出します。
タキシードと聞いて、まず最初にこの形をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
人気映画『007』でジェームスボンド役のダニエルクレイグが着ていることでもよく知られていて、映画を見てこの形にしたい!という方も多くいらっしゃいます。
一方でこちらは今回めいんとして取り上げる『ピークドラペル』のタキシードです。
ショールカラーとは全く雰囲気が異なり、衿が尖っているのでシャープかつ男らしい威厳のある印象を作り出します。
衿の形によってフォーマル度に差はないのですが、見た目の雰囲気からするとピークドラペル』方がよりフォーマル度が高く、カッチリと見えるのも特徴です。(実際はフォーマル度に差はありません)
このピークドラペルは背の高い方や筋肉質な方によく似合う傾向があり、特に胸板が厚い方がピークドラペルのタキシードを着こなすと非常にたくましい雰囲気になります。
襟の形はショールカラーとピークドラペルの2種類だけですが、実際に着用してみるとそれぞれ表情が異なりますので、どちらの形がしっくりくるかじっくり考えましょう。
ピークドラペルタキシードのお仕立て事例集
まずは先日ご納品させていただいた、シックなダークグリーンのタキシードです。
近年レディースを中心に注目されてきたトレンドカラーであるグリーンですが、ここ1・2年はメンズの方でも人気が高まってきています。
新郎タキシードにおいても例外ではありません。
タキシードの場合は基本的に暗い色の方が適していますから、このようなダークグリーンが最適な色ではないかと思います。
個性的ではあるものの、決して派手な主張はなく、誰もが自然体で着用できるのではないでしょうか?
ブラックのシルクをあしらったピークドラペル、蝶ネクタイもブラックで統一。
やはりタキシードはこのくらいシンプルなのが一番いいんです。
こちらはブラックのピークドラペル・タキシードですが、襟の幅を大胆に太めに設計しています。
これにより、一段と迫力が増した勇ましい雰囲気になっていますね。
上襟と下襟の境目のラインをゴージラインというのですが、このゴージラインも少し低めに設計しており、トムフォードのような端正的なカッコよさを表現しました。
このデザインであれば、やはり色味はブラックやミッドナイトブルーなどの本格的なフォーマルカラーに限ると思います。
ホテルウエディングや、格式高い結婚式場におけるウエディングに最適ですね。
続いては、ボルドーのピークドラペルタキシードをご紹介させていただきます。
タキシードとしては定番色ではないボルドーですが、大人の色気が溢れる最高にかっこいいタキシードに仕上がりました。
こうした個性的な色味の場合は、ショールカラーのような優しい雰囲気だとどうしても柔らかい印象になってしまうので、ピークドラペルの直線的なラインでキリっとした表情に仕上げるのがベターです。
ウエストの絞り込みを強く設計しましたので、シャープなラインが実に美しい。
カラー+ピークドラペルの組み合わせはこれからも多くの方にご提案させていただくと思います。
挙式後は普通のスーツに
ボットーネのタキシードですから、挙式後はスーツにリメイクすることが可能です。
ピークドラペルのデザインでお仕立てさせていただいた場合でも、きちんとノッチドラペル(通常のスーツの襟)になりますのでその点はご安心ください。
もちろん、ただ黒いシルクをハリボテのように貼って、あとからペロッと剥がすだけの雑なリメイクではありません。
正式なタキシードから、正式なスーツへ、しっかりと生まれ変わります。
通常のビジネスシーンで使うこともできるでしょうし、結婚式に及ばれ時など「特別な時」に着用するスーツとして保管しておくこともできますね。
お子さんが生まれた際は是非お宮参りなどで着てみて下さい。
大きくなったら入園式、卒園式、入学式と、様々なシーンであなたと共に人生を歩んで行ってくれます。